「プロジェクトを変える12の知恵」
プロジェクトを変える12の知恵 -ケンブリッジ式ファシリテーション-
- 作者: 影山明
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2011/06/09
- メディア: 単行本
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本の位置づけ
プロジェクトを成功に導くための知恵として、ツールの使いこなし方法や基本姿勢などをまとめた本。
この手の本は内容がバラバラして見えるので、勝手に解釈(&デフォルメ)して目次を作ってみました。
タイトルが表す通り、この本は
- プロジェクトを成功させるために
- ファシリテーションにフォーカスして
- 重要だと考えられる知恵(知識ではない)をまとめた
本と言えます。
読み物 という位置づけが強いけど、リファレンスとしても使えるという構成です。まずは気になるポイントを読み、ときどき読み返す、という使い方を想定しているように見えます。
ただし、リファレンスとしては、知恵ごとに1ページのスライドにまとめ(チートシートでもよいかも!)、リファレンスはそちらを利用したいところです。
感想
いつものように、読んだ「感想」でなく、読んで「考えさせられたこと」を書きます。なので、多少のデフォルメはあります。
プロジェクト・ゴールと CSFは経営層を巻き込み、議論により「覚悟」を決めることが重要
プロジェクトの目的や目標値を設定しているプロジェクトは増えているように感じるけど、設定した目的が抽象的なためにスコープが不明確だったり、多くを望みすぎて優先すべき事柄がわからないことがあります。また、関係者の十分なコミットを得られていないため、目的自体ぐらついて手戻りを生じてしまうこともあります。
- 経営層を巻き込んで議論を尽くす
- 成功要因を明確にする
- プロジェクトの成否を評価できる具体的な目標値を設定
ことにより、「覚悟」と「評価指標」を手に入れることがポイントです
この章のポイントは「経営層を巻き込む」こと、「CSFを明確に示す」ことなのは重々承知の上で、少しずれたことを言います。
プロジェクト目標は、めざすべきゴールであり、評価指標だということはこれまでも意識してきたけど、プロジェクトの当事者にとっての「覚悟」なんだよな。。という点にハッとさせられました。プロジェクトの目的を設定する際、決めた目的・目標は「覚悟」であり、関係者に対して大きな責任を追うことを意識してきただろうか。。。
ところで、せっかく苦労して練り上げたゴール、関係者に簡潔に伝え、プロジェクト内では常に意識できるようにしたいですね。なので、プロダクト・ボックスに仕立て上げ、A3サイズ1枚もののポスターとして壁貼りにしておきたいですね。
こまめにフィードバックを受けるツールとして、チェック・ポイントはとても有効。
これまで、セッション・チェック・ポイント(セッション後のフィードバック)を組み込むという発想はなかったので、驚きでした。これまでは、腑に落ちていない様子の人に気づいたらセッション後に個別フォローするか、または出席者に対して追加情報をメールで流すのが関の山でした。わかったかどうか、誤解がないかどうかは、直接聞くのが早いし、確かです。
セッションそのものの問題点を改善する方法としてもよいし、発言のない人の意見を吸い上げたり、誤解に気づくための方法としてもよいですね。
Agile なフィードバックを得るために、どのポイントで何ができるだろう、と考えると可能性が広がっていきそうです。
仕事は楽しい。
本の内容と逆行する内容だけど、「楽しい仕事があるわけではない。楽しく仕事をする人がいるだけだ。」というくだりには、私は反対の意見をもっている。
仕事は基本的には楽しいもので、楽しくない仕事はないと思うのだけど、どうなのかな?