新・ソフトウェア開発の神話
新・ソフトウェア開発の神話 成功するプロジェクトチームの科学と文化 (IT Architects’Archive ソフトウェア開発の課題 11)
- 作者: ジョー・マラスコ,Joe Marasco,藤井拓
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2008/09/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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原題は、 The Software Development Edge です。
「人月の神話」の21世紀版という帯がついています。いい本です。
どんな本か
タイトルからわかるように、プロジェクトマネジメントの本です。
著者のジョー・マラスコさんがプロジェクトマネジメントをされた経験に基づき、エッセンスをまとめた本だそうです。
プロジェクトをマネジメントするにあたり、考慮すべき点、嵌りやすい落とし穴などについて書かれています。
全体的に、概念的な話と、定量的/定性的な検知/計測の両面で解説されています。
中心の話題は、「遅延プロジェクトに人を追加すると更に遅れる」といった、人がらみの話題です。人をどう集め、高い生産性をだせるように学習し、生産性を維持できるように動機付けるかという点です。
そのほか、
など、エッセンスが詰まっています。
その他、個人的に響いた点
個人的には、
- 組織が成長するためには、適正なレベルで要員を追加しつづけなくてはならない
- 同じ要員で続けていくと考えが固まる
- 辞めていく人がいる
- 追加要員の生産性は当面の間上がらない
- 追加要員を教育・フォローするために既存メンバーの生産性が下がる
- 追加要員を受け入れつつ、成長していくためには、受け入れ可能な人数(成長率)に限界がある。
- 反復開発のメリットが多岐に亘ること
- プロダクトのリスク
- プロジェクトのリスク
- 教育
- 早期の撤退判断→これにより、組織はより多くのプロジェクトを実施できる
- マネージャが新技術を評価し、把握するためのポイント
- 評価軸をあらかじめ決めておいて、複数の技術で評価するといいよね、等
- hello world等、文字の出力
- ユーザの入力を受け取る
- データの永続化
- 典型的なデータ構造の扱い
- エラー処理
- 抽象化やカプセル化
- 評価軸をあらかじめ決めておいて、複数の技術で評価するといいよね、等
といったあたりが響きました。
細かいエッセンスや響くことばが多く、付箋だらけになりました。読みにくいから、マーカー引けばよかったかも。
反復開発のメリットについては、面白いテーマなので、また改めて書きたいですね。
参考
作者のジョー・マラスコさんが10月初めに来日した際のインタビュー記事が EnterpriseZine に掲載されていますね。
EnterpriseZine:ムダなものを作らない。それを解決する手法が反復的な開発とモデリングである