エレベータテスト不合格
先週の会話が気になり、この週末は、少しネガティブだ。
発端
いたずら心を出し、同僚にエレベータテスト※してみた。なお、RFPは完成済だ。
※超短時間で、相手が興味をもつようなポイントのみをわかりやすくアピールできるかどうかをテスト。
時間がないエグゼクティブにエレベータで移動する間の30秒だけプレゼンの時間をもらったとする。この30秒で興味をもってもらえるかを評価するという意味で「エレベータテスト」と呼ぶ。
「このシステムの目的は何?」
- 業務の大変さが解消される
- 業務の見える化
おいおい、それは目的じゃないだろ。
ひとつめは問題の原因を言っているだけで、ふたつめのは問題を解決するための手段のひとつだ。特にふたつめのは眉唾で、買い手は、「またベンダーが金ヅル見つけて売り込みに来た」と思う。今日の私がひねてるのか?
説明したらわかってくれたようだたが、なぜ大勢の人が集まって「問題」が追及されないままで残るのかが、すごく気になった。
「レベルが低い」とか、「追及する気がない」など、精神論で片づけては解決しない。
(唐突に聞いたせいもあるとは思うが。)
大変なんですわ
顧客のうち、現場の人が言うのは仕方ない。「大変なんですわぁー」。少し誇らしげに、或いは憔悴しきって。
「大変」自体が悪のようにみえるからだ。「大変」と「大変じゃない」のどちらがよいか、他の要因なしで聞けば、ほとんどの人は「大変じゃない」を選ぶだろう。
しかし、「大変じゃない」は大抵の場合、ただじゃない。
- 「大変」+毎年100万
- 「大変じゃない」+初期5000万+毎年20万
では、即答できる人は多くない。
「大変」で、何が困るのか?以下、ありがちな悪弊の例。
- 疲労困憊による従業員の意欲低下?
- コスト高による利益提言?
- サービスレベル低下?
- サービス提供まで長期間かかる
- ミスが多い
- 顧客対応が雑になりがち
- 売上の伸び悩み?もっとたくさんの仕事を受けられるはず。
明らかにするのは、外部のコンサルの役目ではないか?
では、なぜ聞けないのか?
- 時間の制約でやっつけ仕事(優先が低い)
- 問題を明らかにしないのは怠慢。出来上がったものの方向性がぶれる可能性があるため、重要度が低い。優先度を上げろ。
- 聞く側に課題を切り分ける力がない
- 意識すること、訓練することで解決しろ。
- そりゃ悪いよね、という空気があり、聞きにくい
- 自明なことを明文化するのは、格好悪いことじゃない。
- なぁなぁ
- 顧客が怖い
- 論外
業務を見える化しようや
「見える化」は流行りだし、「見える」と「見えない」では、やっぱり「見える」ほうがよさそう。予算も維持の手間もかからなければ。
ホント?見えないと何が困るのか?
- 無駄が多い・・・かもしれない ⇒ 「大変さ」を増長する
- ミスが多い・・・かもしれない ⇒ 何かの作業が抜けてしないがちなど
- 業務間の連携がとれてない・・・かもしれない ⇒ 業務がスピードダウンしているかもしれない
- 新しい人が仕事を覚えられない ⇒ 手順が多いが、どの作業の次に何をするのか???迷い、いちいち先輩に聞く。
- 管理上不安 ⇒ 誰が何やってんだっけ?順調なんだっけ?うろうろ。(これは私の妄想である。こんな管理者はいない)
- 統制上、ないと困る (目的と手段が混乱しているケース。これを理由に「見える化」に出資するトップはいない)
上にあげた問題があるのであれば、「見える化」は解決策の一つと思われる。
では、なぜ追及されないのだろう?
- システム化自体が目的で分析を始めた
- 分析したベンダーが得意分野にひきこんだ
- 定石または流行りなので、つい使った
心がけよう
ぱっと見「悪」に見えるもの、ぱっと見で「良」に見えるものは、意識して「ホント?」「それで?」を繰り返す必要がある。これは格好悪いことじゃない。
その際、原因と結果、手段と効果は思ったよりも混同しやすいことに注意。アウトプットとインプットをきちんと意識して分析をすすめよう。
ヤツはクリシン受けてるので、切り分けのコツはわかっている筈。意識だけだろう。
・・すこしスッキリ。
この文章を最後まで読んでくださった奇特な方がいたら、ストレス発散に付き合わせてしまったこと、お詫びしますね。