「非機能要求グレード」
同僚に教えられて、IPA で「非機能要求グレード」というものが公開されていたのを知ったので紹介。
これまで
今までも非機能要求を定義していく際には、ひな形を使っていたのだけど、以下のような難しさがあった。
- 漏れがある
- なかなかバリエーションを提示できず、顧客の要求の引き出しに難航
- 例えば、「レスポンスは?」と聞かれても、今まで意識してこなかった顧客は答えられない
- 高い要求が工数やコストに結びつくことがピンときにくい(説明しづらい)
よいと思った点
グレード( = SLA )という考え方を持ち込むことで、顧客も具体的なイメージを描きやすいし、開発費や運用費に直結することも説明しやすい。
もちろん、項目も多岐にわたっているので、漏れも生じにくい。
メトリクスが示されている(ものがある)ので、テストもしやすい。
面白いと感じたのは、「A.4.2.1:可用性」のように、非機能要件に対するテストのグレードを定義してあるものがあること。
これまでは ISO/IEC 9126 をもとに発想していたので、こういうものは発想になかった。
ピンとこない点
とほめるだけほめちぎってみたけど、2点ピンときてない点がある。
- 分類が不明、または適切かどうかわからない。例えば、「F.2.1.1:ユーザ数」は「システム環境・エコロジー」なのか??
- 網羅性があるのかどうかわからない。
とか言ってみたけど、
この「非機能グレード」はかなりに気にいったし、そもそも個別プロジェクトに合わせて拡張・カスタマイズするものだと思うので、じゃかじゃか使ってみましょうねえ。