交渉学入門
- 作者: 田村次朗,隅田浩司,一色正彦
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2007/11
- メディア: 単行本
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同僚に紹介されて読みました。結構よいです。
ひととおり読んで理解するタイプの本なので、ポイントだけ短時間で押さえたい人には向かないのかな。
一部小説仕立てのところもあります。(ふざけてない、適切な小説がついている本は珍しいね。)
ポイントをメモに取りながら読むとよいと思われます。
挿絵が多い140ページの本なので、メモ取りながら読んでも、それほど時間はかかりません。
コラムなども含めて、200行ほどのメモができました。(載せるとまずそうなので載せませんけど。)
章構成
この本の3構成と、おおまかな内容は以下のとおりです。
- 1章:交渉上手になろう
- 交渉とは何か、何に気をつけるか、どんな準備をするかなど
- 2章:交渉をマネジメントする
- アジェンダ交渉(何を、どんな順番で)や、どのように流れを作って、膠着したらどう打破するかなど
- 3章:最良の合意を形成する
- クロージングやクリエイティブ・オプションのメリットや作り方など。
- チームでの交渉についても書かれているけど、これは2章に書くべき内容のような気がします。あるいは、4章を作るか・・
所感など
交渉(ネゴシエーション)のイメージが少し変わりました。
まず、「交渉」そのもののイメージが修正されました。
こちらの提案内容を納得してもらう場だという考えは誤った考えでした。
交渉は「合意」を目指すものです。しかし、単なる合意でなく、質のよい合意を目指すものです。「合意しない」こともオプションのひとつとしてありえます。
次に、交渉を成功させるためにどんな要素があるか、という印象が修正されました。
これまでは、要素は交渉の現場をどうすすめるかと、せいぜい事前準備くらいじゃないかと思っていたのですが、交渉の流れをつかむためにマネジメントが必要であったり、チームで交渉するための役割分担や認識の共有などの要素があるのです。
特に、交渉のマネジメント上、アジェンダ自体を交渉することなどは、今まで考えたことがなかったので、新鮮な驚きがありました。アジェンダは単なる進行表であり、事前に必要な材料を準備してもらったり、話の脱線を防いだりするものという位置づけで捉えていたからです。テーマによっては、わざとアジェンダを提示しなかったり・・・
#もちろん、普段の会議向けのアジェンダと交渉の場のアジェンダは性格が違うと思うけど。