営業の「聴く技術」
営業の「聴く技術」 新版―SPIN「4つの質問」「3つの説明」
- 作者: 古淵元龍,大堀滋
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2008/08/28
- メディア: 単行本
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きっかけ
質問/ヒアリング/インタビューの技法を学ぶ本を探していて、知人に教えられた。
帯の「人は自分の言葉に説得される!」という言葉に興味をそそられた。(※)
タイトルに「営業の」とついているし、最初と最後の章は営業に特化した記述なので、勧められなければなかなか手に取る機会がなさそうな本だ。
営業ではないとはいいつつ、提案活動を行うこともあるし、また普段の業務の中で顧客の課題を解決し次の仕事を獲得していく必要がある。コンサルやSEは自分自身が商品であると同時に営業でもあるという意識をもっともつ必要があるのかもしれない。
なにものか
顧客にソリューションを提案しようとする際、必ず言われる
- 顧客の声をよくきけ
- 顧客の課題を正しく把握せよ
- 顧客の課題を解決する提案をせよ
の具体的なノウハウが詰まっている。
ステップは単純だ。
- 状況質問(Situation Question)
- 顧客の状況や背景を聞く
- 問題質問(Problem Question)
- 顧客の状況の中で、どんな問題や不満があるかを聞く⇒潜在ニーズを抽出
- 示唆質問(Implication Question)
- 課題を形成する。聞いた「問題」の影響やインパクトなどを聞く
- 解決質問(Need-payoff Question)
- 潜在ニーズを顕在化し、課題解決時の望ましい状態を聞く。顧客に利益を語ってもらう
- ソリューションの提案
- ここで初めてソリューションを提案できる。ここでは「その顧客にとって」どんなメリットを提供できるかが肝になる
ポイントもシンプルだ。
- 売り込む前に顧客の本当の課題をきちんとおさえる。
- コンサルやSEの立場に置き換えれば、ソリューションを提示するには顧客の課題をきちんと押さえる。(当たり前だが、押さえるのは表面上の課題でない)
- 顧客自身の口から語らせる。納得するし、顧客の上司などに説明できる
- 売り込むのではなく、顧客が欲しいと思うものを提供する
蛇足
本筋から逸れるが、書籍中で少しハッとしたことがあった。
「状況質問」は顧客対して何のメリットもないということ。状況質問では、あくまでも聞きてが「教えてもらう」立場をとる。それ以降の質問は、質問ではあるが顧客の問題、課題、解決策を整理するという意味があるため、顧客にとってメリットがある。
提案書を作る際に、環境や状況の把握に多くのページを割いていないだろうか?頭でっかちで結局何が嬉しいのか分からない提案書になっていないだろうか?プレゼン時も同様。顧客がわかりきっていることに多くの時間を割き、顧客を退屈させていないだろうか?思い当たることだらけで悲しくなる。