UMLモデリングツールのシェア

UML モデリングツールの2007年度の国内出荷額のシェアが、9月に発表されてました。

ITRによる調査です。


シェア

順位 メーカ 製品 シェア 金額 販売価格 販売価格の補足
1. IBM IBM Rational Rose 42.2% 3.8億 ¥696,780 (税込) Rational Rose Enterprise Authorized UserでPAX料金
2. Telelogic Telelogic Rhapsody® 16.7% 1.5億 1000米ドルから 生成するコードとターゲットOSにより価格が異なる
3. スパークス Enterprise Architect 11.1% 1億 ¥17,325 (税込) ダウンロードの場合、プロフェッショナル版1ライセンス。ボリュームライセンスも有。
4. チェンジビジョン Jude 10.6% 1億 \29,400 (税抜) プロフェッショナル版1ライセンス。無償のコミュニティ版も有

※機能が違うので、販売価格はあくまでも参考です。


価格が大きく違うので、本数に換算してみたところ、金額ベースでは3位の Enterprise Architect は、Rational Rose の10倍以上の本数を売り上げているようです。本数ベースで比較すると、上位に名前があがったもの以外でも、多くの本数を出荷しているものがあるかもしれませんね。


1位の RatinalRose は以下の記事によると、ここ数年機能強化を行っておらず、買収した2位の Rhapsody に移行していくということですね。
さらば「Rational Rose」、買収製品に順次移行へ:ITpro
Rose がなくなるのは寂しいです。最近使ってないので単なるノスタルジーですけど。



2009/8/12補記
この記事の情報をもとに、Rhapsodyの価格を追記しました。時期が異なるので、価格は参考です。

今後は?

今後はどうなるでしょうか?
Rhapsody のユーザを取り込み、IBM の他の製品との親和性や IBM のサポートを評価し、IBM の天下が続くでしょうか?
あるいは、ユーザ企業が製品切り替えのタイミングでより安価な他の製品に乗り換えていくでしょうか?


キーマンズネットのレポートでは、「UML市場は堅調」と書いてあったり、「UML人気は低下」と書いてあったりするので、環境がどう推移しているとの判断なのかわからないですが、私の周囲では、UMLモデリングをより低価格/無償の製品またはより一般的なツールで行うケースが増えています。多分、少しずつ浸透してきたおかげで、とりあえず描けと言われたダイアグラムを一生懸命描く時代は終わり、より目的を絞ってモデリングするように変わってきたため、機能を絞った無償製品でも十分になってきているためではないかと考えています。目的に応じて、Jude コミュニティ版のように無償のツール、NetBeansEclipse のように IDE と一体化した製品、VisioExcel のような製品も選択肢にあがると思います。誰と意思疎通するのか、その後モデルを誰が改定するのか、コードを生成したいのかどうか、など、製品を選択する要因はさまざまです。


・・・というほどUMLが浸透しているならばですけど。

UMLは浸透しているの?

UML系資格の保有者数を調査した結果Web版IT記者会Reportに掲載されていたので、参考までに出しときます。

認定団体 人数 含まれる資格名
OMG 1,666人 OCUP のファンダメンタル+インターメディエイト+アドバンスト だと思います。
UMTP 1,874人 L1 + L2 + L3 だと思います。L3はまだ含まれていないかもしれません。

※調査社数130社、15万9,000人


調査はIT企業に限定していると思います。
重複を排除せず2.2%ですか。「有資格者多=浸透している」とは言い切れないけど、実は意外と多いという印象です。