女性誌の発行部数を調べてみた

夏休みのつれづれに。
雑誌の発行部数減っているよね、と言われているので、試しにどのくらい減っているのか調べてみた。

情報源

情報源は、一般社団法人 日本雑誌協会。期間は、10年弱(2008年4月〜2017年6月)。4半期ごとの発行部数(印刷部数)である。なので、紙媒体に限定した数値である。
とりあえず出版社=集英社とし、女性向けのファッション誌/エンタメ誌を対象として傾向をみた。

傾向

総部数

確かに減っている。(スケールの範囲を絞っているので、変化が強調されている。)

雑誌別

雑誌によりばらつきがある。

減りが目立つのは、SEVENTEEN, MORE、non-no、myojo。これらはもともとのボリュームが大きいので、総数の減少に寄与している。一方、marisol, エクラ, BAILAは増えている様子だが、発行部数が多くないので、総数に与える影響は小さい。なお、この期間で、廃刊が3誌(PINKY, SPURLUXE, Cobalt)。

ターゲット/ジャンル別

雑誌のターゲット/ジャンルでまとめてみると、傾向は顕著になる。

ボリュームの大きいティーン、ヤング、ヤングアダルトは減っている。小さい頃からデジタルに親しんでいる世代なのでデジタルに移行したのか。また、ファッションの参考にするなど行動に移すためには、モバイルのほうが有利だと思うので、納得。30代向けは、例年10-12月期の発行部数が多い。冬のテッパン企画があるのか。40代/50代向けは微増。在宅が多い世代と考えると紙媒体がよさそうだけど、本当に紙媒体読む世代なのか、周囲を見ると感覚とずれがある。コスメ誌は変化が少ない。美容院需要が多いのか。
40-50代向けも、若い頃にファッション誌を紙媒体で購入していた世代がシフトしてきた傾向はあるのだろうけど、美容院などの定期購読需要がそれなりに底上げをしているように思う。ここは、ターゲット層が明確な雑誌のほうが、使いやすいのかもしれない。また、時期により変化が激しい雑誌は、個人で購入する人の割合が多いのだろうな、なんてことを考えた。

結論

ボリュームゾーンである若年向けの雑誌の発行部数が減っているので、総数としては大きく減少している。一方で、比較的年齢層の高い層向けの雑誌は、微増傾向にある。ターゲット層やジャンルが明確な雑誌はおそらく美容院などにとって使い勝手がよく、定期購読などにより継続的な発行部数を維持できるためと思われる。